セラピー役立ち情報:その2  精油の変性劣化の仕組み

2014-3-16 10:44 管理者:  monjyu
 アロマセラピーに興味のある方は、一度はこんな言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。「精油は酸素や温度、日光(紫外線)や湿気(水分)に敏感で、容易に劣化されてしまうので、気をつけて保存してください」・・・、皆さんはどのように精油を保存していますか?  

 まず、劣化がどのようにして起こるのかについて、化学の視点からお話ししたいと思います。 精油の化学成分の構造中で反応を起こす部分はいろいろありますが、大きな原因となる一つに二重結合があります。この二重結合のうち一本は比較的反応性が高く、酸素や他の二重結合などの魅力的な相手が近くにやってくると、手を離してそちらと結合してしまいます。精油成分の多くには二重結合があるので、その結果、酸化や重合といった反応が起こるのです。また、一部の成分は水分により分解されてしまいます。二重結合のない成分の代表がはっかやペパーミントの成分メントールです。そのためにミントは比較的安定で、お菓子などに入れられても1年ぐらいは充分おいしくしかも安全に楽しめるわけです。
 これらの反応により香りがよくなるのであればうれしいことですが、精油の効果が変化する場合もあります。効果がなくなるだけではなく、好ましくない影響が現れる場合もあるのです。実際、ラベンダーや柑橘系の精油に報告される皮膚に対する副作用は、酸化された精油によるケースが多い、ということも報告されています。ですから、精油の劣化はできる限り避けなくてはいけません。  

 では、劣化を防ぐにはどうしたらよいでしょうか。ここでは主に酸素と温度を取り上げます。酸素は空気中の20%を占めるので、精油が空気に触れると、その中の酸素分子が精油の二重結合と出会うわけです。出会いの頻度は酸素濃度に比例しますから、酸素を減らすことがまず重要になりますが、それだけではありません。出会いの頻度は分子の動き回る速度が速いほど多くなります。 眼には見えませんが、分子の動き回る速度は、温度が高いほど早くなります。また、分子はそれぞれエネルギーを持っています。温度が高くなると、より多くのエネルギーを持つようになるため、出会ったときに反応が起こりやすくなるのです。分子の動き回るエネルギーレベルを温度と言っていいくらいです。このような出会いの頻度とエネルギーの上昇の影響で、一般的に、温度が10度上昇すると、分子の衝突によって起きる反応の速度は2-3倍に高まると言われています。日光によってもエネルギーは高くなりますので、注意が必要です。
 次のコラムでは、精油の変性・劣化を防止する具体的方法を述べたいと思います。  (by Mary and S Abe)
コラム )