過体重、肥満は13歳までに改善した方が良い:成年期の糖尿病リスク軽減

2018-5-30 7:15 管理者:  Mashi

   肥満の増加は今や世界的な傾向であり、世界保健機構(WHO)によれば、18歳以上の成人の39%が過体重、13%が肥満であり、子供の23%以上が太り過ぎまたは肥満だそうです。肥満者は感染症にかかりやすく重症化し易いこと(コラム:2016-11-26)や、糖尿病や高血圧などの生活習慣病と深い関係があることはよく知られています。そして成人期の過体重、肥満のもとは、小児期にはすでに形成されていると考えられています。


   海外からの報告では、思春期の肥満は成人期の肥満につながるばかりか、たとえ成人期になって肥満を解消したとしても、生活習慣病の合併や死亡の頻度が非常に高いことが指摘されています。したがって、この予後不良な思春期の過体重、肥満の発生を予防することは大変重要な課題だと考えられます。これらに関して、最近デンマ−クの研究者から、若年期の過体重と成人期の糖尿病発症の関係について長期間追跡した疫学調査が発表されました。


   研究者達は、体重および身長を、7歳、13歳、成人初期(17〜26歳)の時に測定された62,565人のデンマ−ク人男性のデ−タを調べました。2型糖尿病状態(30歳以上、6710人)のデータは、国家健康登録簿から入手したそうです。その結果、7歳時の過体重者(男性62,565人のうち3373人、5.4%)、13歳時の過体重者(62,565人中3418人、5.5%)、または成人初期(17〜26歳)の過体重者(5108人、8.2%)の3群とも全て2型糖尿病のリスクと相関がありました。特に成人期の過体重は強い相関がありました。


   しかしながら、13歳前に過体重が改善された人の30歳時または60歳時における糖尿病発症リスクは、人生で一度も過体重にならなかった人の糖尿病発症リスクと同等でした(ハザ−ド比0.96)。つまり13歳になる前に標準体重に戻しておくと、糖尿病発症リスクはリセットされ低くなります。一方、7歳時と13歳時に過体重で成人初期(17〜26歳)には改善されていた人の糖尿病発症リスクは、常に過体重だった人(ハザ−ド比:4.14)よりは低いが、有意に高かった(ハザ−ド比:1.47)。


   つまり7歳時に過体重であっても、それが改善され、それ以後ずっと過体重でなければ糖尿病発症リスクは増加しません。逆に言うと、肥満は13歳になる前に改善しておく必要がありそうです。これらはデンマ−ク人男性での解析ですが、女性にもいえることなのか、日本人でも当てはまるのか今後の解析が待たれます。(by Mashi)


参考文献:Lise G. Bjerregaard et al., Change in Overweight from Childhood to Early Adulthood and Risk of Type 2 Diabetes. N Engl J Med.(2018) ; 378:1302-1312  DOI:10.1056 / NEJMoa1713231
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子供の過体重は成人の糖尿病発症リスクを増大させる
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