うなずきは好ましさや近づきやすさなどの好印象をもたらす

2017-12-7 7:39 管理者:  Mashi

   赤ちゃんの人見知りの一つの理由は、知らない人と目が合うことに起因するそうです。動物どうしで目と目が合うというのは、威嚇のサインにしばしばなることから、赤ちゃんの人見知りも生物学的な基本姿勢といえます。さて他者とのコミュニケ−ションにおいては、同意する場合はうなずき、拒絶する場合は首を横に振ることが世界中で行われています。これらの動作は、態度を相手に伝える上で重要な役割を果たしていると考えられますが、単にうなずくあるいは首を横に振るといった単純な動作が、相手にどのような影響を与えているのか科学的には検証されていませんでした。


   最近、北海道大学大学院文学研究科および山形大学学術研究院の研究者は、うなずきや首振りの動作を操作し、人物の印象(魅力,好ましさ,近づきやすさ)を評価する実験を行いました。その結果、うなずいた場合は、好ましさと近づきやすさの評定値が首振りや静止したままの場合に比べて30〜40%上昇したそうです。これは、うなずき動作をしている人物を見るだけで、その印象が変わることを検証した初めての研究だそうです。


   研究手法としては、18 歳以上の男女合計49名に依頼、評価してもらいました。CG で作成したモデルの人物がうなずく、あるいは首を横に振る短い動画を見てもらい、評価者が動画一つごとに人物の印象(魅力、好ましさ、近づきやすさ)を1〜100 の範囲で評定しました。対照としては、動かないでじっとしている映像を評定してもらいました。


   その結果、評価者の性別に関わらず、人物がうなずく動作を見た後は、静止したままの場合に比べて、好ましさは約30%、近づきやすさは約40%高く評価されました。さらに人物の見た目の好ましさと、推測した性格のよさについても調べたところ、性格特性の好ましさが特に上昇していたそうです。一方、首を横に振る動作は、好ましさも近づきやすさも低下していました。


   このように、評価と無関係な動作でも、うなずくという動作は相手に近づきやすい印象を与え、肯定的な評価に結びつきやすいことがわかりました。私達が日常生活の中で知らずして体験していることが、科学的にも実証されたということだと思います。


   また蛇足の余談です。かつてメデイア関係者に、私達の研究内容を説明したことがあります。その時取材者が「なるほど、なるほど」と連呼しながら、頻繁にうなずくことがありました。あまり軽妙にうなずかれると、本当に理解しているのかな、軽んじられているのかな、という疑念もわき、「好ましさや近づきやすさ」が遠のいていった記憶があります。うなずきも程度が大切のようです。(by Mashi)


参考文献:Osugi T and Kawahara J, Effects of head nodding and shaking motions on perceptions of likeability andapproachability. Perception(2017)(知覚心理学の学術誌) doi/pdf/10.1177/0301006617733209
コラム )
うなずきが人物の印象に与える効果
うなずきが人物の印象に与える効果