古代ローマの抗菌アロマセラピー

2013-10-5 12:13 管理者:  monjyu
 アロマセラピーは経験医学ですので、その歴史を知ることも大切です。抗菌アロマセラピーの歴史については、井上、安部の著書「抗菌アロマテラピーへの招待」(フレグランスジャーナル社)のp2−5にまとめられています。感染症にアロマが使われた近代の記録はかなり明らかですが、古い時代に名前が特定される学者が記載した記録は少ないようです。
 最近、ローマ帝国の学者ケルススが書いた「De Medicina」の中に、「皮膚真菌症に対する外用薬」としてアロマと推定される植物抽出液が使われていたことが記載されていることを知りました。それを報告しているのは、著名な皮膚科医である五十樓健先生で、「皮膚真菌症に対する外用薬」についての総説(Medical Mycology Journal 54 269-278,2013)の中で紹介しています。ケルススは、皮膚科医ならだれでも知っている紀元前1世紀の人です。
「De Medicina」によると、白癬菌の感染で生じると考えられる頭部の禿げ(彼の名からケルスス禿瘡〈とくそう〉と呼ばれる)に使っていた塗り薬に、ギンバイカ (マートルMyrtle)、ラブダナム (Labdanum)などの植物抽出液が使われています。ギンバイカは、写真のような花をつける植物で、その分類はティートリーと同じくフトモモ科です。その葉は、シネオール、ゲラニオールなどをふくみ、現在でも、マートルの精油としてその消炎作用、抗菌作用がよく知られています。アロマの機能性は、少なくとも感染症に有効なものとして古代ローマでも利用されていたのですね。(by S.Abe)
コラム )
銀梅花、銀盃花(学名:Myrtus communis)の花
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