優秀論文賞受賞:黒酵母抽出物による感染防御力の増強

2013-10-4 15:54 管理者:  monjyu
 黒酵母(Aureobadium)は、環境中では、植物の葉の表面に付着したりしながらも生きる黒い酵母です。私たちは、この酵母のエキスをマウスに食べさせると、カンジダの全身感染や院内感染で恐れられるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の腸管感染を防止できる可能性があることを示す研究結果を得ました。その動物モデル研究で明らかにした成果を日本医真菌学雑誌に発表しました。その論文が2013年度の優秀論文賞に選ばれ、2013年9月の学会総会で表彰されました。写真はその時撮影したものです。
 受賞した理由は、主に黒酵母(Aureobadium pullulans ADK-34株)のベータグルカンを主成分とする産生物が免疫能に働き、感染防御力を強めることを明確に示した点にあります。特に、これを経口摂取したマウスは、長期間にわたってカンジダ菌や薬剤耐性になった黄色ブドウ球菌による感染に対して抵抗力が増しました。この結果は、黒酵母によって酵母や細菌による感染を守れる可能性を示します。この黒酵母抽出多糖体は、現在 ドリンク中に加えられたりして食品として取られるだけでなく、保湿効果がある化粧品の基材成分としても使われるようになってきています。精油との相性などについての研究が今後期待されます。

 本研究は帝京大学医真菌研究センターと医学部微生物学講座、株式会社ADEKAとの協力で実施されたものです。

受賞論文:谷岡明日香、羽山和美、三ツ矢正安、丹生茂、斧康雄、椿和文、安部茂
免疫抑制マウスにおけるAureobasidiumpullulans ADK-34株由来β-グルカン経口投与のCandida albicans感染およびMRSA感染に対する効果. Med. Mycol J. Vol.53, 41-48(2012)
黒酵母由来β-グルカン 経口投与によるC.albicans 感染マウスの延命効果
黒酵母由来β-グルカン 経口投与によるC.albicans 感染マウスの延命効果
写真は左から、椿、谷岡、羽山、安部の順です。
写真は左から、椿、谷岡、羽山、安部の順です。